第59回日本医学教育学会学術大会

The 59th Annual Meeting of the Japan Society of Medical Education

ご挨拶

大会長ご挨拶

第59回日本医学教育学会学術大会
大会長吉田 素文
熊本大学大学院生命科学研究部
総合医学教育学講座 教授

このたび、第59回日本医学教育学会学術大会を、2027年7月30日(金)から8月1日(日)まで、熊本城ホールにて開催させていただくこととなりました。歴史ある本学会の学術大会を熊本の地で開催できますことを大変光栄に存じますとともに、皆様を火の国・熊本にお迎えできることを心より楽しみにしております。

本大会のテーマは、「継承する火脈 交差する知脈 ~医学教育のスクランブル交差点~」といたしました。

熊本には、藩立医学寮「再春館」以来約270年にわたり、医学と医療人育成に注がれてきた情熱と志があります。それを未来へ受け継ぐ「火脈」と、さまざまな人、領域、世代の知と実践が交わり、新たな価値を生み出す「知脈」。この二つの言葉に、医学教育のこれまでを振り返り、これからを皆様とともに考えたいという思いを込めました。

私自身、1988年に九州大学医学部を卒業し、外科研修、制癌剤の研究、市中病院での外科診療を経て、33歳で九州大学の医学教育の専門部署に着任しました。その後、文部省医学教育課に半年出向していたときに、第58回大会長の高村昭輝先生が留学されたオーストラリアのFlinders大学を含む幾つかの大学を訪問しました。2001年には医学教育モデル・コア・カリキュラム初版の「診療参加型臨床実習の実施のためのガイドライン」や、共用試験システムの創設に関する報告書の執筆に携わりました。

初版のガイドラインには、カリキュラム評価、指導法開発、OSCEの運営、教材開発などを担う「カリキュラム統括部門」の必要性を記しました。その後、全国の医学部に医学教育を専門とする部署が設けられ、多くの教職員が医学教育に携わるようになりました。一つの場所で灯っていた医学教育への火が種火となって各地へ分かたれ、それぞれの地で新たな人々によって育まれながら、日本中に火脈を広げていったようにも思えます。また、2005年に正式実施された共用試験CBTとOSCEも20年余りを経て、次の世代へと受け継がれてきました。

こうして、各地へ火を分かち横へと広がる火脈と、世代から世代へ火を絶やさず縦へと受け継ぐ火脈がつながり、その火を囲む人々が大学や職種、専門領域を越えて交流することで、新たな「知脈」も形づくられてきたのではないでしょうか。

いま、医学教育・医療者教育は新たな転換点にあります。人口減少や医療人材の偏在、価値観やキャリアの多様化、国際的な人材交流、ICT・生成AIの進展など、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。一つの専門、一つの職種、一つの世代だけでは答えを見いだせない課題も増えています。

だからこそ本大会を、医学・歯学・看護学をはじめとする多様な医療者教育、大学と地域、教育者と学習者、国内と海外、そして世代を越えた人々が、それぞれの「火」と「知」を携えて集う「医学教育のスクランブル交差点」にしたいと考えています。

それぞれの道を歩んできた人々が熊本で出会い、語り合い、知と経験を交差させ、そしてまた、それぞれの道へ歩み出す。その交差から生まれた新しい知やつながりが、次の医学教育を支える「知脈」となり、やがて次の世代へ受け継がれる新たな「火脈」となることを願っています。

皆様がそれぞれの「火」と「知」を携えて熊本に集い、交わり、新たな火と知を携えてそれぞれの地へ戻っていく。

そんな3日間を皆様とともにつくりたいと思います。火の国・熊本で、医学教育のこれまでとこれからをともに語り合えることを、心より楽しみにしております。

実行委員長ご挨拶

第59回日本医学教育学会学術大会
実行委員長 谷口 純一
一般社団法人 天草郡市医師会立 天草地域医療センター 総合診療科 部長
天草地域医療連携センター センター長
熊本大学大学院生命科学研究部 総合医学教育学講座 客員教授

第59回日本医学教育学会学術大会を、令和9年7月30日(金)から8月1日(日)までの三日間、熊本市にて開催させていただくこととなりました。

実行委員長を務めさせていただく天草地域医療センターの谷口純一です。

今大会の実行委員は、熊本大学大学院生命科学研究部 総合医学教育学講座の教員を中心に、学内・学外の医療人育成関係者にご依頼し、準備を開始したところです。実行委員一同、伝統のある学会の学術大会を務めさせていただくことをとても光栄に感じ、熊本と日本の医学教育の発展に貢献する為に尽力する所存です。

さて、本大会は、“継承する火脈 交差する知脈 〜医学教育のスクランブル交差点〜”のテーマのもと、講演・ワークショップ・対話型セッションなどを通じて、卒前教育、卒後教育、多職種教育等、種々のジャンルが交流し、明日の医学教育を多くの方々が語り合える場を提供できる様、医学教育学会の学術大会運営委員会のサポートの下、学内外混成の実行委員会が準備を進めております。非常に素晴らしかった過去大会を参考にさせて頂き、プログラム、会場設定、交流の場作りなどの運営に、より工夫を凝らし、医療者教育に関わる皆様が、刺激的で尚且つ心地良い雰囲気でご参加いただける環境づくりに務めてまいります。本ホームページでは、プログラム、演題登録、参加登録など情報を随時更新いたしますので、ご確認いただければ幸いです。

熊本市は2016年、2026年と震災に被災しましたが、メイン会場である熊本城ホールは幸い無事で、この素晴らしいホールでの1会場でコンパクトに開催する予定です。大変お暑い季節ではありますが、ホールの近くには、歩いてすぐの場所に熊本城や中心部繁華街があり、本大会を通じて、学術的な交流を深めつつ、熊本独特のユニークな文化・食・雰囲気などもあわせて楽しんでいただきたいと存じます。

本大会の開催にあたり、多くのみなさまからのご支援・ご協力をいただいておりますことを改めて心から感謝申し上げます。